稟議書が嫌いです。
もうずいぶん前。まだまだ新人だった頃の話です。たぶん就職して2,3年目のある日の上司からの一言。
「稟議書書いといて」
な?何ですか、それは?いきなりな仕事の命令。ここで断っておくと、それ書くの俺ですか的な稟議書でした。それ欲しがってんの俺じゃないし。
その当時、というか今でもそうだけど、真面目な文書って書くのがすっごい苦手です。つか、なんで、いきなり稟議書?もう、今となってはどういう理由でそうなったかは思い出せないが、忙しいさなかに、何いってんだこいつは!このバカタレ(部長です)というのが当時の心境。
とは言え、新人の身。なんかすっごい苦労して稟議書を書いた。そんなことがあったため、しばらく稟議書が鬱陶しかったのは言うまでもない。
ところが、しばらくしたある日のこと。当時、ちょっと尊敬していた(いまでも尊敬しているけど)と話をしてて稟議書の話になった。
「僕ね、稟議書書くの好きなんですよ」
「えー、またなんでですか?」
「だってさ、欲しい物を買ってもらえるから」
なるほど、自分が欲しい物を堂々と会社の予算で買える。そいう意味じゃ稟議書って無敵の書類。だって役員はおろか社長印押てるし、万が一、ヘタレな結果になっても一連託生。そういう意味じゃ、いい書類だ。
目からウロコが落ちた。
人生を変えた一言というには大げさだが、ちょっと物を見る目が変わった瞬間でした。